幼いとき、毎年母に連れられて酒の見本市に行っていた。所々の記憶しか残ってないが、車で一時間くらい走ったのと海沿いだったので、恐らく舞鶴辺りで開かれていたのだろう。
酒の見本市なので、別に子供が行って見るものもないのだが、その当時は大人たちがにぎわっている会場がどこかお祭りのようで、私はそれなりに楽しかった。
一度、その帰りに舞鶴港(?)で行われていた客船の展示会に連れて行って貰ったことがある。
我ながら可愛くない子供だったが、その時は素直に「子供らしく」楽しんだのを覚えている。
今思うとバブル絶頂期だったのか。あんな田舎でも、街は賑わいを見せていた。
今はもう見本市は開かれていない。出展していた会社も、買い付けに来ていたお店も、どれだけ残っているのか分からない。
母に連れられていった港町もすっかり寂れてしまっている。
あの頃、私はとても狭い世界の中で、そこが世界の中心だと信じて生活していた。
家と会社との往復よりも短い生活空間の中で、それなりに驚きに溢れた日常を過ごしていたように思う。
今、もう一度、母と旅行にでも行こうかと思う。
きっと、それなりに驚きに溢れているだろうと思う。
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